妊娠がわかって周囲に伝えると、「戌の日のお参りはいつ行くの?」と聞かれることがあります。戌の日は安産祈願の日取りとして古くから親しまれてきた日ですが、いざ自分のこととなると、なぜ戌の日なのか、いつ行けばよいのか、分からないことも多いものです。この記事では、戌の日と安産祈願(帯祝い)の由来、日取りの選び方の目安を、はじめての方に向けてやさしくまとめます。
目次
戌の日とは——12日に一度めぐってくる日
暦の上では、日付の一日一日に十二支(子・丑・寅…)が順番に割り当てられています。そのうち「戌」に当たる日が戌の日で、12日に一度めぐってきます。ひと月に2〜3回ある計算です。
犬(戌)は一度のお産でたくさんの子犬を産み、お産が軽いといわれることから、古くから安産の象徴とされてきました。そこから、妊婦さんが戌の日に安産を祈願する風習が生まれたと伝えられています。
その年の戌の日がいつかは、2026年の戌の日カレンダーで六曜と合わせて確認できます。
帯祝いと岩田帯の意味
戌の日の安産祈願は、帯祝い(おびいわい)という儀式と結びついています。帯祝いは、妊娠5ヶ月目(16週ごろ)に入った最初の戌の日に、妊婦さんのお腹にさらしの帯——岩田帯(いわたおび)——を巻いてお祝いする風習です。
岩田帯の「いわた」は「斎肌(いはだ)」が転じたものといわれ、清らかな肌という意味を持つとされています。帯には、お腹を守り、これから母になる自覚を新たにするという意味合いが込められてきました。
現在では、神社やお寺で安産祈願のご祈祷を受け、祈祷済みの腹帯やお守りを授かる形が一般的です。腹帯もさらしタイプだけでなく、ガードルタイプや腹巻きタイプを持参して祈祷してもらえる社寺が増えています。持参できるかどうかは社寺によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
お参りはいつ?——「5ヶ月目最初の戌の日」は目安
昔からの言い伝えでは「妊娠5ヶ月目に入った最初の戌の日」がお参りの日とされています。ただ、これはあくまで目安であり、この日でなければいけないという決まりはありません。
- 体調がよく、気候の穏やかな日を選ぶ
- 家族の都合が合う週末にする
- 混雑を避けて平日にする
- 戌の日以外の日にお参りする
いずれもよくある選び方です。多くの社寺では戌の日以外でも安産祈願を受け付けていますし、妊婦さん本人が行けない場合に家族が代理でお参りできるところもあります。無理のない計画をいちばんに考えて、ご自身に合った日を選んでみてください。
大安と戌の日が重なる日は人気
日取りをさらに選ぶ余裕があれば、六曜も見てみましょう。お祝いごとによいとされる大安と戌の日が重なる日は、安産祈願の日取りとして特に人気があるとされています。
人気の日は、有名な安産祈願の神社では受付や祈祷の待ち時間が長くなることもあります。混雑が心配な場合は、朝の早い時間帯にする、大安以外の戌の日にするなどの工夫をする人も多いようです。六曜はあくまで暦の上の言い伝えなので、六曜の意味と順番を参考にしつつ、こだわりすぎない範囲で取り入れるのがよさそうです。
大安と重なる戌の日は、戌の日カレンダーで緑のバッジ付きでハイライトしています。
初穂料の相場とのし袋の書き方
初穂料(お寺の場合は「御布施」)は、社寺により幅がありますが、3,000円〜10,000円程度が相場とされています。金額や納め方は社寺によって異なるため、公式サイトや電話での確認が確実です。
- のし袋の水引 — 「花結び(蝶結び)」のものを選びます。色は金銀・紅白どちらでも安産祈願に使えるとされています
- 表書き — 神社なら「初穂料」、お寺なら「御布施」と書きます
- 氏名 — 楷書で丁寧に書きます
- 渡し方 — 袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付でふくさから出して渡すのが正式な作法とされていますが、簡略化して封筒のまま渡す人も多いようです
当日の流れと持ちもの
一般的な安産祈願の流れは、受付(初穂料を渡す)→ 待合 → ご祈祷(本殿・本堂にて)→ お札・お守り・腹帯の授与、という順番になることが多いようです。
必須の持ちもの
- 初穂料(のし袋に入れて)
- 腹帯(持参する場合。祈祷済みのものを授与してもらえる社寺も多い)
あると便利なもの
- 母子手帳
- 上着や羽織るもの(本殿・本堂内は冷える場合があります)
- 飲み物・ハンカチ
お参りの服装
安産祈願に厳密な服装規定はありませんが、神前・仏前でのご祈祷なので、きれいめの落ち着いた服装を選ぶ人が多いようです。妊婦さんは締め付けの少ない、楽に過ごせるワンピースなどがよいとされ、足元は歩きやすい靴が安心です。同行するパートナーは、スーツやジャケットスタイルを選ぶ人が多く、過度にカジュアルな服装(デニム・サンダルなど)は避けたほうが無難とされています。
まとめ
戌の日は12日に一度めぐってくる、安産の象徴・犬にちなんだ日です。妊娠5ヶ月目最初の戌の日に帯祝いをする風習が伝えられていますが、日取りはあくまで目安で、体調と都合を最優先に選んで差し支えないとされています。大安と重なる戌の日は人気が高いぶん混み合うこともあるので、余裕を持った計画がおすすめです。戌の日と六曜の組み合わせは戌の日カレンダーでまとめて確認できます。どうか穏やかな気持ちでお参りの日を迎えられますように。


