暦のサイトやカレンダーアプリを見ていると、「天恩日(てんおんにち)」という吉日を見かけることがあります。天赦日ほど知名度は高くありませんが、「すべてのことに吉」とされる暦注で、5日間まとまって訪れるのが特徴です。この記事では、天恩日の意味と日付の決まり方、やると良いとされること、そして他の吉日との関係を解説します。

目次
  1. 天恩日の意味
  2. 日付の決まり方
  3. 天恩日にやると良いとされていること
  4. 天恩日に避けたほうが良いとされていること
  5. 凶日と重なったら?
  6. 天赦日・母倉日との違い
  7. まとめ

天恩日の意味

天恩日は「天からの恩恵がすべての人に及ぶ日」とされる暦注で、任官・婚礼など慶事全般に大吉とされてきました。何かを始める・人と結びつく・お祝い事をする、といったあらゆる場面で縁起が良いとされる吉日です。

由来は江戸時代の暦書『暦林問答集』にさかのぼるとされ、天赦日・大明日(だいみょうにち)・母倉日とあわせて「七箇の善日(しちかのぜんにち)」と呼ばれる吉日グループの一つに数えられます。七箇の善日については吉日の基礎知識まとめでも触れています。

日付の決まり方

天恩日は、母倉日や天赦日と異なり、節切り(せつぎり)の月に関係なく、日の干支(えと)だけで決まります。60日で一周する干支のうち、次の3グループ・計15種類の干支の日が天恩日です。

グループ 対象の干支(5日間)
グループ1 甲子・乙丑・丙寅・丁卯・戊辰
グループ2 己卯・庚辰・辛巳・壬午・癸未
グループ3 己酉・庚戌・辛亥・壬子・癸丑

干支は60日周期で巡るため、天恩日は60日のうち15日、つまり4日に1日近い頻度で訪れます。しかも1グループが5日間連続するため、「今日から5日間は天恩日」という形でまとまって出現するのが特徴です。年間では90日前後、ひと月あたり7〜8日ほどになります。

母倉日・一粒万倍日が「節切り月×日の干支」の組み合わせで決まるのに対し、天恩日は日の干支だけを見ればよいシンプルな仕組みです。2026年・2027年の全天恩日を公開2系統の暦情報と突合して算出基準を検証済みです。今月・来月の天恩日は吉日カレンダーの月別ページでバッジ表示しています。

天恩日にやると良いとされていること

「天からの恩恵がすべてに及ぶ日」という由来から、特定の分野に限らず何事にも良いとされます。

  • 結婚式・入籍・お祝い事全般 — 「すべてに吉」の代表的な使われ方
  • 新しいことを始める — 開業・契約・習い事のスタートなど
  • 引っ越し・新居への入居 — 新しい生活の始まりを見守ってもらう意味合い
  • お参り・祈願 — 天の恩恵にあやかる意味で相性が良いとされる

天赦日と同じく「万事に良い」吉日ですが、天赦日が年5〜6回とごく少ないのに対し、天恩日は年90日前後と頻度が高く、5日間まとまって訪れるため「この期間中に済ませたいことを選べる」使いやすさがあります。

天恩日に避けたほうが良いとされていること

「何かを始めるのに良い日」とされる裏返しとして、縁を切る・関係を終わらせる方向の行動とは相性が良くないとされています。

  • 離婚・解約・別れ話 — 「始まり」の吉日という性質上、「終わらせる」行動には不向きとされる
  • 喧嘩・対立を招く言動 — せっかくの恩恵を無駄にしないよう、穏やかに過ごすことが良いとされる

とはいえこれも強い禁忌というより、天赦日や一粒万倍日と同様の縁起担ぎとしての言い伝えです。手続き上どうしても天恩日に重なってしまう場合、無理に日取りを変える必要はありません。

凶日と重なったら?

頻度が高い吉日である以上、天恩日が仏滅や不成就日と重なることもあります。この場合の解釈は流派によって分かれ、「天恩日の吉の力が凶を和らげる」とする説もあれば、「単純に吉凶が並存する」とする説もあります。当サイトでは特定の解釈を断定せず、吉日カレンダーに六曜・不成就日とあわせて天恩日のバッジを表示し、判断材料をそのまま提供する方針をとっています。

天赦日・母倉日との違い

同じ「七箇の善日」に数えられる吉日でも、由来と頻度、決まり方はそれぞれ異なります。

吉日 決まり方 年間の目安
天赦日 節切りの四季×干支の組み合わせ 年5〜6回
母倉日 節切りの月×日の干支の組み合わせ 年70〜72回程度
天恩日 日の干支のみ(節切り月に関係なし) 年90回前後

天赦日が「年に数回のとっておきの日」であるのに対し、天恩日は「5日間まとまって、月に何度も巡ってくる日」という位置づけです。大きな決断は天赦日に、日常の中で縁起を担ぎたい用事は天恩日に、という使い分けをする人もいます。

まとめ

天恩日は「天からの恩恵がすべての人に及ぶ日」とされる吉日で、日の干支だけで決まり、5日間まとまって年90日前後訪れます。結婚・入籍・新しいことを始めるお祝い事など、あらゆる慶事との相性が良いとされ、天赦日や母倉日と並ぶ「七箇の善日」の一つに数えられます。今月の天恩日は吉日カレンダーでいつでも確認できますので、大切な日取りを考える際の目安にしてみてください。